リクルートワークス研究所より、労働時間削減のためのマニュアル発表 ―7項目の診断と7STEP の取組みで労働時間メタボを解消―
株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:峰岸真澄)内の人と組織の「新しいコンセプト」を提起する研究機関・リクルートワークス研究所は2014年度研究プロジェクトのひとつとして「ホワイトカラーの生産性と働き方」について研究し、その成果を本日、マニュアルとして発表しました。
労働力人口の減少が懸念されるなか、生産性の高い働き方へのシフトは急務といえますが、さまざまな課題があり取組みが進まないのが現状です。本マニュアルが1社でも多くの企業での労働時間短縮の参考になれば幸甚です。
マニュアル全文につきましては、以下リクルートワークス研究所のサイトよりダウンロードいただけます。
URL: http://www.works-i.com/research/2014/index.html#05
日本における長時間労働
日本における長時間労働はたびたび社会問題になってきましたが、遅くまで働くことを良しとする考え方が変わることはありませんでした。
しかし、労働力人口の減少が懸念されるなか、女性・高齢者・外国人など多様な労働力の参入を必然とし、また、人びとの価値観が多様になっているなか、企業はこれまでのように「長時間労働をいとわない労働者」に依存して組織運営することは難しくなってきています。我々は長時間労働に慣れきっている現状を変えるためのきっかけになればと考え、今回2種類のマニュアルを発表しました。
各マニュアルの特徴
今回発表したマニュアルは無理のない「持続可能な働き方」を提供できる企業になるために、人事担当者は社長・マネジャー・社員に何を伝え、現場のマネジャーは何をすればよいかをそれぞれまとめています。
「人事のための時短推進説得マニュアル」 | 「課長のための時短推進始動マニュアル」 | |
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対象 | 人事担当者 | 現場のマネジャー |
目的 | 「長時間労働はなくせない」という声に、人事が反論、説得し、メンタルブロックを壊すための方法を知ってもらう | どのように現場をマネジメントして実際に労働時間を減らしていくのか、初期に必要なマネジャーの行動を知ってもらう |
内容 | 組織が長時間労働体質になっているかどうかの診断シートを掲載。さまざまな立場の人々が「長時間労働をなくせない」と考えている「思い込み」を解きほぐす説得ワードを、実証的なデータとともに紹介しています。 | 労働時間を短縮するために必要なことを7STEPで紹介。すぐに現場に使える取組みをふんだんに盛り込み、労働時間短縮成功のための最初の一歩を踏み出しやすくするよう工夫しました |
表紙 |
「人事のための時短推進説得マニュアル」内容抜粋
「気づかないうちに長時間労働になり、分かっていてもやめられない。」このような特徴を持つ労働時間メタボの体質改善のために7項目のチェックリストを掲載しました。このマニュアルは自社の労働時間メタボ度が分かるだけでなく、結果を受け、人事と現場が同じ目線で時短推進できるように作られています。長時間労働を良しとする社長、部長、課長、社員を、人事が説得し、納得させるためのマニュアルとしてご利用いただけます。
▲診断シートと診断結果
▲よくある社長の考えと人事の「説得ワード」
「課長のための時短推進始動マニュアル」内容抜粋
労働時間短縮を始めるために現場が初めに取組むべきことを7STEPでまとめています。調査データや具体的な行動のヒントを用いて解説しているので、現場はすぐに取り入れることができます。また、これらを実践することで、会社以外の場での時間、人とのつながりや体験も全て楽しみ、なおかつそれらが仕事での成果をより豊かにすると感じられる働き方ができる様になります。
▲STEP⑤ 「仕事の振り方を変える」のページ
石原直子主任研究員のコメント
日本の正社員は「フルタイム」という規定就業時間で働ければよいというわけではなく、「オーバータイム」 という残業ありで働けることが、無言の条件のようになってしまっています。組織の中で多様な人々がいきいきと活躍するためにも、「長時間労働できる人が貢献度の高い人」「残業できない人には高い評価をつけられない」といった価値観をなくしたいと考え、まずは、日本企業と日本の働く人々が長時間労働に慣れきってしまっている現状を変えるためのファーストステップとして、2つのマニュアルを作成しました。
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