リクルートホールディングスが運営する「クリエイションギャラリーG8」にて本日スタート!第18回亀倉雄策賞受賞記念 三木 健 展[りんごデザイン研究所]
株式会社リクルートホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長 兼 CEO:峰岸真澄)が運営するギャラリー「クリエイションギャラリーG8(http://rcc.recruit.co.jp/)」では2016年5月9日(月)より6月2日(木)の期間、第18回亀倉雄策賞受賞記念 三木健 展[りんごデザイン研究所]を開催いたします。
第18回亀倉雄策賞受賞記念 三木健 展[りんごデザイン研究所]
1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策氏の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として、1999年、亀倉雄策賞が設立されました。この賞の運営と選考は公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が行い、毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品とその制作者に対して贈られます。
第18回は、三木 健氏の個展の告知ポスター「APPLE+」に決定しました。三木氏は、1982年三木健デザイン事務所を設立。大阪を拠点に、世界グラフィックデザイン会議のコングレスキットや、日本アイ・ビー・エム ThinkPadプロモーション、ベルメゾン、京急百貨店のシンボルマークなど、ブランディングや広告をはじめ、パッケージ、エディトリアル(出版物のデザイン)、空間デザインまで、デザイン領域を横断的に捉え、多様なジャンルで活躍しています。また、大阪芸術大学で教鞭をとり、デザインの教育にも力を注いでいます。
本展覧会ポスター
今回の受賞作品は、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催された個展の告知ポスター「APPLE+」。この展覧会は、「りんご」という世界中で誰もが知る果物を通して、デザインの楽しさや奥深さに気づくという、デザインを初めて学ぶ人のために三木氏が組み立てた教育メソッドを紹介するものでした。選考会では、ポスターそのものの堂々たるデザインと共に、その背景にある三木氏のデザイン教育に対するユニークなアプローチが評価されました。
この受賞を記念して個展を開催いたします。
展覧会概要
- 企画展名
第18回亀倉雄策賞受賞記念 三木健 展[りんごデザイン研究所] - 主催
株式会社リクルートホールディングス クリエイションギャラリーG8 - 共催
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 亀倉雄策賞事務局 - 会期
2016年5月9日(月)~6月2日(木)
11:00~19:00 日曜・祝日休館 入場無料 - 会場
クリエイションギャラリーG8
〒104-8001 東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1階
TEL 03-6835-2260 http://rcc.recruit.co.jp/ - トークショー
会期中トークショーを開催いたします。
<第271回クリエイティブサロン>
日時:2016年5月24日(火)19:10~20:40
出演:鈴木康広(アーティスト)・三木 健
<第272回クリエイティブサロン>
日時:2016年6月1日(水)19:10~20:40
出演:織咲 誠(インターデザインアーティスト)・三木 健
※いずれも入場無料 要予約(TEL 03-6835-2260)
※電話予約受付時間 11:00~19:00 日曜・祝日除く
第18回亀倉雄策賞 受賞作:個展の告知ポスター「APPLE+」
三木 健 プロフィール
三木 健 MIKI Ken
1955年神戸生まれ。1982年三木健デザイン事務所設立。話すようにデザインを進める「話すデザイン」と、モノやコトの根源を探る「聞くデザイン」で物語性のあるデザインを展開。「気づきに気づく」をテーマに静かな表現の中にエモーショナルなコミュニケーションを潜ませる。主な仕事に世界グラフィックデザイン会議コングレスキット、日本アイ・ビー・エム ThinkPadプロモーション、ベルメゾン、大阪薬科大学、京急百貨店のシンボルマークなど。近年、学びをデザインするプロジェクトAPPLEを展開。その内容を紹介する書籍がスイスのLars Müller Publishersより出版。2015年gggにて「APPLE+ 学び方のデザイン『りんご』」と日常の仕事|三木 健 展」を開催。
主な受賞にJAGDA新人賞、日本タイポグラフィ年鑑グランプリ、東京TDC銅賞、世界ポスタートリエンナーレトヤマ銀賞、N.Y.ADC優秀賞など。大阪芸術大学教授。
受賞のことば
1964年東京オリンピックの記憶は鮮明に残っている。小学4年生の時だ。日の丸と金の五輪のエンブレム、陸上と水泳のポスター。それらが三面に配置された旧東海銀行の三角柱の貯金箱が僕の机にずっとあった。しかし、当時は亀倉雄策の名を知る由もなかった。その後デザインを志しその存在を知るのだが、初めて本人に出会った日を忘れることはない。1994年、「クリエイションギャラリーG8」での僕の個展開催日だった。当時、G8の あるリクルートビルの2階に亀倉デザイン研究室があり挨拶に出かけた。丁度、東京国際フォーラムのシンボルマーク指名コンペに参加していた僕は、発表を首を長くして待っていた。開口一番「君の東京国際フォーラムのシンボルマークは最終選考で選ばれなかった。シンボルは難しいな」。僕にとっての『デザインの神』のような存在からの言葉だ。「君のシンボルは、君が展開することを目論んでいる。シンボルは打たれ強くなければならない。特に公共のシンボルは難しい。誰が展開しようが、少々斜めに配置をされてもビクともしない強さがい る。何より理念が明快に表現されている。それがシンボルなんだ」。この言葉がいまだ脳裏から離れない。
あれからずいぶんの年月が経った。まさか、亀倉雄策賞の知らせが僕に届くとは夢にも思わなかった。今回の受賞は『APPLE+』の展覧会の告知ポスターが対象だが、その背景には『APPLE』というデザイン教育プログラムがある。これは、誰もが知っている『りんご』を通してデザインの楽しさや奥深さに気づいてもらうという構造だ。身体性を生かした観察手法や、自然界に潜む色の抽出、また、不自由さの中で見つけ出す物の真意や、偶然の幸運に出会う発想法など、ユニークな実習を通して『気づき』に気づき、最終的にはそれらすべてのプロセスが記録された教科書へと仕上がる。このように社会課題の一つである『教育』をテーマにしたデザインに評価をいただきとても嬉しく思う。このプロジェクトでは、ポスターにおける錯視を心理学者で立命館大学の北岡明佳教授に監修をいただき、その他多くの専門家に協力を得た。ポスター、空間、インタラクティブ、映像、音楽、立体造形、書籍などあらゆるメディアを駆使して「デザインとは何か」を問い続けた。そして、その問いに真剣に悩み答えを模索した学生達。ここにみんなの力が結集してこの度の受賞へと繋がったと思う。多くのみなさんにこの場を借りて感謝したい。